茨城県【子供の健康調査】 

県境で線引きされる子供たちの健康調査

  〜北茨城に住むママ達の訴え〜



 福島県に隣接する人口4万5千人の北茨城市は、福島第一原発から60キロ程しか離れていないにも関わらず、現在、行政による子供達の健康調査は、まったく行われていない。


 2011年のTBS系列の年末特番で、「食の安全」をテーマに取材(JIN•NET)をしたのがきっかけで、

その後、北茨城市を何度か訪れている。(独自取材の様子は、YouTube Kong Japanとして掲載している)


 茨城県の最北に位置する平潟漁港から直線で300メートル程離れた場所にある福島県の勿来(なこそ)漁港。漁師は、週一回のサンプル漁と瓦礫の清掃作業を行っている。依然として魚介類から、国が定める食品の放射線基準を超える値が検出しており、漁の再開の目処は立っていない。東電は、放射能汚染で漁ができない福島県の漁師に対し、補償金を支払っている。隣の北茨城の漁師に対しても、原発事故による損失には同様の対応をしている。そんな原発事故の影響をまともに受けている北茨城市でさえ、子供への健康調査は一切行われていない。


福島県では、「県民健康管理調査」を行っている。この調査では災害時既に18歳以下の県民を対象とした甲状腺の検査を把握すると伴に、生涯にわたる健康を見守るために平成23年10月から無料で実施されている。調査方法のあり方などに課題も残るが、対応はしている。


 一方で、福島県以外の放射線量の高い汚染地域への対策と対応は進んでいない。個人で甲状腺検査などを受ける場合は、保険適用外のため自費で検査を受けなければならない。約2〜3万円する。一人でも高額だ。カネがなければ健康を守れない事態。被害を拡大させない為にも、国は率先して対策を行うべきである。

県境で線引きされる子供たちの健康調査2012年10月に北茨城に住む地元の母親が集まり「北茨城ママの会」を立ち上げた。保育園に子供を預ける忙しいママ達が懸命に訴える。「子供達の健康を守りたい」という活動に、多くの市民が理解を示してくれた。

わずか一ヶ月で3982名もの署名が集まり、2012年12月3日、北茨城市の豊田稔市長に、子どもの甲状腺検査を求める要望書と署名を手渡した。

 豊田市長は、「2013年の3月頃を目処に、専門家も加えた対策チームで取り組み、北茨城市として、今後の方針を決定していく」と述べた。

 豊田市長に署名を手渡した「北茨城ママの会」の大川優美さんは、「多くの市民の声に耳を傾け、本当の意味で子どもたちが安心して暮らせる北茨城市に復興する為にも、できるだけ早く、誠実な対策と対応を期待したい。また、今後の市、県、国、の動きにも注目し、「北茨城ママの会」として、母親の目線で正直な声を届けたい」と話してくれた。

 政治のプロでないママ達が懸命に訴える姿には、何かが変わる希望を持ちたい。本当に、本当に切実な訴えだけに、市には、住民が納得するような対策と対応を望みたい。健康検査もせずに「安全•安心」と言われても受け入れられない。仮に、北茨城市が「安全•安心」だから健康調査はいらないと決定しようとするならば、是非「安全•安心」を確かめる為にも、ママ達の声を聞いてほしい。


Follow-up :中野健太  Photo : 佐藤公治



「北茨城ママの会」の連絡先 

京都文化社までメールを送って頂ければ、「北茨城ママの会」に内容を報告致します。


  • 2013.01.06 Sunday
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